さあ、グランドフィナーレのまくあけです。

 一年生のみなさん、大和小学校のお友だちを紹介してください。

(一年生は起立する。)

(一年生に呼ばれた学年は、立つ)

 ぼくたちは、一年生です。

 一年間だけの大和の子です。

 でも たくさんのお兄さんお姉さんができました。

  

 二年生のお兄さんお姉さん

(二年生起立)

 いつもとなりのきょうしつにいて

 ぼくたちがこまっていると

 やさしくしてくれました。

 三年生のお兄さんお姉さん

(三年生起立)

 げんかんで くつをぬぎすてて しまったとき

 そっとなおしてくれたり

 やさしくめんどうを見てくれました。

 

四年生のお兄さんお姉さん

(四年生起立)

 大和小学校とのおわかれの歌を

 作ってくれて

 ぼくたちに教えてくれました。

 

 五年生のお兄さんお姉さん

(五年生起立)

 六年生のお兄さんお姉さんが

 いなくて こころぼそかったとき

 そっと手をつないでくれました。

六年生のお兄さんお姉さん

(六年生起立)

 おにごっこ、かたぐるま

 いつもぼくらのことを

 やさしくおせわしてくれました。

 【スライドスタート】

 まぶたをとじると今も思い出すでしょう。

 嵐やふぶきの日、そっと手をさしのべてくれた、あったかな手

 まっくろに日焼した友だちの顔

 いっしょに泣いて笑ったなつかしい日々を

 大和小学校の思い出に感謝して「さよなら大和」を歌います。

(全校児童起立)

  「さよなら大和」を歌う。

(全員座る。) 

 外は冷たい、雪まじりの北風が吹きつけている。

 でも、強い絆でしっかり結びついているわたし達の心は熱い

 今「強き心の絆」の本を開こう。

 

 手の中のずっしりと重い一冊の本

 開くとそこに、言葉だけでは語り尽くすことのできない物語が

 ぎっしりと詰まっていた。

 

 昭和17年、日本があのいまわしい戦争をしていた頃、

 一つの喜びごとがあった。

≪喜びごとがあった≫

9月、地域の父母の願いがかない、学校ができた。

≪東町国民学校≫

千人の仲間との歴史の始まり

木造長屋

学校裏のヤチッ原

ジャガイモやカボチャ畑

はげしくなる戦争

グランドのぼうくうごう

サイレンが鳴る

≪にげろ、逃げろ≫

(戦争効果音)

昭和20年戦争が終わった。

≪やっと終わった≫

昭和22

 輪西からも友達が来て

 新しい歴史が始まった。

 輪西、東町、日鋼社宅

 三つの地区がみんな仲良くという願いを込めた学校の名前は

大和小学校

仲良く助け合う心、力強い心をあらわす校章を胸に

学校へかよった。

 

日照りの中を、嵐の中を、ふぶきの中を

小さな子の手をひいてかよった大和坂。

昭和29

輪西と東町を結ぶ切り割り道路ができた。

うれしかった。

≪うれしかった≫


昭和30

児童数三千人、北海道一のマンモス校

教室が足りなくて

体育館も図書室も児童玄関さえも

みんな教室

午前と午後に別れてやった

2部授業≫

一つの机を二人で使った。

遊びつかれていねむりもした。

9月、東園小学校ができた。

千人の友だちとの別れ。

昭和31

校歌の誕生

≪大和のわれら力あり≫

今でも心にひびく言葉

≪大和のわれら力あり≫

多くの卒業生が、母校を思う時

必ず思い出す言葉。


鼓笛隊誕生

市内をほこらしげな顔でパレードしたあの日

あの子の顔も、この子の顔も

喜びに満ちていた。

人であふれかえった運動会

グランドにあふれるようにいた人、人、人、

真っ白いたび、はちまきをして走りぬけた。

はくりょく満点の棒倒し

夕方遅くまで続いた。

30年近く子ども達とともにすごした、木造校舎

ガタガタになった床

すきま風が吹き込んでいた窓

ポタポタと雨もりしていた屋根

ありがとう校舎

さようなら木造校舎



 昭和43

新しい校舎の完成

新しい校舎との新しい歴史の始まり


 大きなゆれ、電信柱が左右にゆれる。

十勝沖地震、こわかった。

≪こわかった≫

でも、新しい校舎はびくともしないで力強く立っていた。

工場の高い煙突

昼、夜休むことなく流れ出るけむり。

夜空を真っ赤にこがす、工場からのほのお

活気づく室蘭のまち。
  工場が忙しくなればなるほど

公害が広がる

大和地区に広がる。

亜硫酸ガス、粉じん

のどをいため、せんたくものを汚す。

プールの水を茶色ににごす。

公害に負けない強い子になろうとはじめた

かんぷまさつ、うがい

 
  昭和46年

グリンスクールが始まった。

5年生全員が 一週間泊りがけで出かけた。

海水浴、山登り、川遊び、キャンプファイアー

体をきたえ、勉強もした。

でも、一番強く結ばれたのは友達との絆。
  昭和54年

しお風と波の音にはげまされ

砂に足を取られながらもけんめいに走った。

初めてのイタンキ浜でのマラソン大会。

苦しかったけど思い出に残った。

数々の思い出にいろどられながら

大和百年への夢が広がる。

走れ、走れ、大和小学校

 「はがね太鼓演奏」
  おぼえているかい

大和っこ祭

グランドで一斉に開いた店、店、店

一日中楽しんだね

おぼえているかい

兄弟学級で仲良く歩いた遠足

ころんだ子を助け、手を引いて登った室蘭岳

いっしょに食べたおべんとう

おぼえているかい

大和音頭の練習に汗を流した日

夏の太陽の下で作りあげた大きな大きな砂の造形。

真っ暗な体育館でちょうちん片手に楽しんだ、

七夕集会

映画会

力強く鳴り響いた大和名物 

はがね太鼓

おぼえているかい

グランドで力いっぱい滑ったスケート

だんパラでの雪中体育

児童会の立会演説会や選挙

北海道一のマンモス校も

学年2学級になった平成4

寂しくなった 学校

でも 子ども達は いつも元気だった。

 

そして 今年児童数は176

大和小学校60年の歴史の幕がおりる。

百年続けるはずだった夢は、消えた。

でも僕たちは

どんなにつらく

どんなに悲しく

どんなに苦しいことがあっても

今ここに集う人たちと

強き心の絆で結ばれているから

けして負けない。

一万人を超えた卒業生が

60年かけて築いてきた伝統を

新しい未来へ

≪引き継いでいきます。≫

大きな希望を抱いて

≪はばたいていきます。≫

すばらしい未来を

≪切り拓いてゆきます。≫

大和のわれら力あり

≪大和のわれら力あり≫

≪大和のわれら力あり≫

(全校児童起立)

 「校歌」を歌う。

ありがとう 大和小学校

≪ありがとう 大和小学校≫

≪さようなら 大和小学校≫