複式学習
小規模校(人数が少ない学校)では、1・2年生、3・4年生、5・6年生が複式学級となり、一緒の
教室の中で、一人の担任の先生と学習をします。それが、複式学習です。
(1・2年生は、合わせて8名、3・4年生、5・6年生は、合わせて15人までだと、複式学級になり
ます。)
例えば、担任の先生が3年生と学習しているときは、4年生は、その時間の学習課題に自分たちで取り組
みます。担任の先生が4年生と学習しているときは、その反対になります。
担任の先生と一緒に学習する時間が少なくなる?との心配もあるかと思いますが、子どもたちが、自主的
に学習が進めたり、子どもたち同士で話合いが進めたりできるように、指導方法を工夫しています。
子どもたちの学習の様子を見ながら、先生は、子どもたちの考えが、より深まるような指導を行っていき
ます。
このような学習を行っていくと、子どもたちは、自分で課題を見つけ、進んで解決しようとする力を身に
付けることができます。
人数が少ないことが、逆に多様な意見に触れることが難しい場合もあります。そのようなときは、子ども
たちの考えが深まり広がるように、計画的に考え、先生からも様々な意見を出しています。
【複式学習による4年生の授業風景】 【複式学習による3年生の授業】
2学年分の授業を担任一人で教えています。指導する時間と、自分達で学習する時間とに分かれます。
ア 間接指導とは
間接指導は直接指導に対する言い方で、直接指導ができない学年に対して行う指導形態である。また、直接指導を「学習の方法・条件」を共に考える時間とみたとき、間接指導は学習のねらいに迫る「児童の自力解決の場」である。間接指導の意義としては、次のようなことがあげられる。
○ 基礎的な学習方法の定着を図り、個人思考を深めたり、集団活動を充実させたりすることによって、
自ら学ぶ力を育成することができる。
○ 児童自身が自力解決を目指す学習であるため、自主性を養う絶好の機会となる。
イ 間接指導の在り方
間接指導は複式指導の特性の一つである。この特性をマイナスの要因としてとらえ、直接指導の谷間にあたる時間(練習や自習の時間)として使うことなく、児童の学習意欲を高め、自主的・協力的に問題解決に取り組む重要な時間と考えなければならない。このような考えに立つと、次のような間接指導改善の視点が考えられる。
○ 学習のねらい、内容、方法を明確につかませる。
・何のためにどのようなことをどのような方法で学習するのかを、一人一人にはっきりと理解させる。
○ 学習の仕方を身に付けさせる。
・学習の手順を明示し、反復練習させる。
・教育機器の操作技能を身に付けさせる。
・各教科の本質に立った学習の手順や方法を理解させる。
・グループ学習を成立させるために、ガイド学習の仕方を身に付けさせる。
○ 学習の手引きや課題プリントを活用させる。
・課題の内容に幅と深さをもたせる。
・練習問題を準備する。
・自己評価や相互評価ができるように準備する。
・学習の補助資料を準備する。
ウ 間接指導の留意点
○ 複式指導では、間接指導に伴い、自主学習の機会が多くなることや、短い時間での効果をあげなければな らないことから、特に学習方法の定着が必要である。
○ 直接指導から間接指導に移るときの手立てをとる。
○ 間接指導の学習の様子を把握し、次の直接指導に臨む。
○ 間接指導での学習内容を考慮の上、学習方法や形態を決める。
・プリント学習・学習者の位置・個別学習、集団学習